シンギュラリティは本当に来るのか?
人工知能が全人類の能力を超えるというシンギュラリティ、果たして本当にシンギュラリティは来るのか?という問いに対して多くの人がいろいろなことを言っています。イーロン・マスク氏や故ホーキング博士など悪い未来が「来る」と警鐘をならしている人がいる反面、シンギュラリティは「絶対に来ない」、良い未来が拓ける、という人もいます。いったい、どちらが本当なのでしょうか?これは、多分、人によってシンギュラリティの捉え方が異なるからではないでしょうか?
単純な計算スピードという観点では、昔から高い計算性能と正確性を持つコンピューターはとっくに人間の能力を超えている、ということが出来るかもしれません。ただし、今までのコンピューターは基本的に人間の作ったプログラムによって動いており、プログラム通りに正しく、もしくは、もし作ったプログラムが間違っていたら、そのとおり間違った結果を出すことになります。コンピューター・システムが大規模かつ複雑化し、ブラックボックスになって、一見予測不可能な結果を出したとしても、最終的には誰かが作ったプログラム・コードを辿れば、間違った原因がわかったものです。つまり、基本的にコンピュータは人間の制御下にあったわけです。
ところが、最近脚光を浴びているディープ・ラーニング(深層学習)は、膨大なデータからコンピュータが自ら学習していきます。人間がプログラムしなくても自ら学習するため、かたよりのない膨大なデータを与えて学習を進めていくと、正しい答えを出す精度がどんどんあがっていくのです。一方、人間がプログラミングしたコンピューターと違って、なぜそのような結論を導き出したのかを説明できないところが、いままでのコンピューターと大きく異なる点です。理由を説明できない、というのは、人間の制御できる範囲を超えているのではないかと、人々に不安を抱かせる要因となったのです。そういう意味で、現在、理由を説明することのできる人工知能XAI(Explainable AI)の研究・開発がさかんに進んでいます。
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