認知型エンジンによるよりよい人間の理解
この認知型のコンピューティングが発展していくと、自ら学習した情報を経験知としてコンピュータ自身が蓄え、最終的には今まで人間が行っていた判断も一部、機械が肩代わりすることになります。自動運転がよい例ですが、現在地から目的地に至る経路上で人を避けたり、渋滞を迂回したりするという細かな判断はコンピュータがするようになるでしょう。そのときの天候や荷物の有無、元気度や予定時間などから移動方法の大方針を決めるのは人間でしたが、この大方針ですら、コンピュータがビッグデータから得られた人、物、サービスに関する情報をもとに、先回りして最適なリコメンデーションを出すようなMaaS(モビリティ・アズ・サービス)も盛んに考えられています。
シェアリング・サービスは新しいテクノロジーを使ってサービスの要求者に対していかに安価に便利で質の高いサービスを提供できるかが鍵となっています。クラウドがアプリケーション・ワークロードに応じて最適なサーバーやストレージをシステム資源プールの中から自動的に割当るのと同様に、サービスの要求に応じてソフトウェアが自動的にサービスを割当することができるようになるかもしれません。ソフトウェアで自動的に割り当てようとすると、コンピュータがそのモデルを構築する際に、サービス要求とサービス資源をともに深く理解する必要があります。認知型エンジンによって、人や物をよりよく理解すると、コンピュータが扱う情報の密度が上がり、より質の高いサービスを割り当てすることが可能になります。このように認知型エンジンは全てのビジネスで今後、必須の技術となっていくでしょう。
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